情報を『伝える』と情報が『伝わる』の大きな違い

仕事術

情報を伝える。仕事でもプライベートでも、他者と関わる以上、絶対に避けては通れない行動の一つ。小さな頃から実行しているのに、大人になっても簡単にはできない。むしろ難易度が上がっているという話も…

なぜ情報を伝えることが難しいのか、考えてみました。

やるべき事は『伝える』こと、めざす姿は『伝わる』こと

上司:「●●を◆◆さんに伝えておいて」
部下:「わかりました」→「◆◆さんに伝えておきました」
(後日)
上司:「◆◆さんに全然話が伝わってないんだけど…」
部下:「申し訳ございません。(え?しっかり伝えたんだけどなぁ…)」

このようなやり取り、自身で経験したり、周りで見たことありませんか?

『伝える』と『伝わる』 何が違うの?

文字としては大差がない『伝える』と『伝わる』。しかし、ここには決定的に大きな違いがあります。

『伝える』は行動
『伝わる』は状態

上司が求めているのは『伝わっている状態』であり、部下が実行したのは『伝えるという行動』

部下が取った行動は間違いではありませんが、めざす姿は相手に情報が伝わった状態であること。ここに至るまでには『伝えるという行動』だけでは不充分であることが大半です。

伝えた「つもり」は「伝わっていない」と同義語

指示を受けた部下は『伝えるという行動』を取ります。しかし、ここで『伝わっている状態』まで持って行けてるかどうか。ここが最も重要なポイントとなります。

では『伝わっている状態』をどうやって確認するのか。

情報を伝えた相手が内容を理解しているのか

細かい点は別にして、ほぼこの一点のみであると言えます。

実際に『伝えたけど伝わっていない状態』を招いてしまう一例として

一方的に話を続ける(相手の理解度よりもまくし立てるスピードが上回る)
メールを送りっぱなし(このような方は「メール送りましたよね?」と言いがち)
相手に余裕がない状態での説明(そもそも情報が頭に入ってこない…)

等が挙げられます。これらに共通して言えることは

相手の反応を見ていない、確認していない

となります。情報を伝えるという課題以前の問題として、コミュニケーションの基本が欠けていると思われても仕方ない状況です。

対面であれば相槌、メールであれば何らかの返信。最低でもこの辺は確認しておきたいところです。そして、相手の反応を確認した上で、

理解できているのなら『情報が伝わった状態』として上司に報告
理解できていないのなら、再度説明(より丁寧に)

という次のアクションを取ってください。

行動はしたもののあと一息で成果につながっていない状態は非常にもったいない!

『相手の反応を確認』これを忘れずに実行してください!理想は無意識にできている状態です。

よりよい情報の伝え方

では、どのようにして情報を伝えるのか?相手の反応をどのように確認すればいいのか?について考えてみます。

ポイントは対面or非対面ではない

実際に情報を伝える際には、置かれたシチュエーション・ツールによって異なってきます。

【対面かつ同期】口頭、オンライン会議(少人数)
【非対面かつ同期】電話(1対1)、電話会議(複数対複数)、オンライン会議(多人数)
【対面かつ非同期】(なし)
【非対面かつ非同期】メール、チャット、動画視聴、郵送
※対面・非対面は表情を確認できるorできないで区分

ご時世的にも、移動時間を考慮しても、非対面でのコミュニケーションが増加(人によっては100%非対面という場合も)、そして対面でのコミュニケーションが少なくなってきております。

では、「対面が主流の時代は、確実に相手に情報が伝わっていたのか?」「非対面となることで、情報が伝わりにくくなったのか?」この問いに対する私の答えは

伝わりにくくなったのは置かれた環境で必要なことが確認できていないから

であると考えます。

『伝える行動』を取っている時、直後にやるべきこと

必要な情報が相手に正確に『伝わった状態』とするために、対面or非対面のどちらが大切か?ということではなく、伝えている時・伝えた直後にやるべきことが欠けているケースが大半です。

そのやるべきこととは

・受取側が発信側の情報を理解できているか確認
・その情報を後日確認する手段が残されているか

という2点となります。

対面、非対面で意識すべきポイントは少し異なってきます。

情報の理解度確認

【対面】相手の表情、頷き・相槌、明確な「理解しました」発言
【非対面】理解できた旨のメール・リアクション、内容を理解していないような質問が来ていないか、チャットリアクション

情報を後日確認する手段

【対面】説明資料、議事録
【非対面】説明資料、メール送受信履歴

しっかりと記憶に残してもらうための一工夫

『理解度の確認』そして『そのための手段を残す』

これをより確実に実現するためにやるべき事2点をお伝えします。

説明は資料をベースに口頭で補足

しっかりと相手に理解してもらうためには、

✕ 資料だけでは足りない。
✕ 口頭だけでも足りない。
◎ 資料+口頭が一番!

という点は、言うまでもありません。そして

✕ 盛り沢山の資料では説明に時間がかかる上に、後日読む気にならない。
✕ 資料の内容が薄いと、口頭での補足が多くなり、聞く側に大量のメモをさせてしまうことになる。
◎ 程よいボリュームの資料に口頭は補足程度に。

という点も意識しておきたいところです。

『程よいボリューム』は持ち時間、相手が事前に知っている情報、相手のレベル等に合わせて調整が必要となります。この辺は経験値が必要となりますので、経験豊富な方からアドバイスをもらうことをおススメします。

資料として記録し、共有しておく

自身で作成した説明資料は後からいくらでも入手できますが、説明している場における議事録(メモ程度のものを含む)は、説明終了後速やかに作成しておくことも重要なポイントとなります。

その時はしっかりと覚えており忘れる気がしない、という方もいるとは思いますが、

・自分の記憶はアテにならない
・脳は細かいことを覚えておくのではなく、考えることに使うべき
(記録することで代替可能なので)

との考えに基づき、しっかりと記憶しておくことをおススメします。

あわせて、双方のためにも、メールやチャットで履歴を残しておくこともお忘れなく。

まとめ

  • やるべき事は『伝える』こと、めざす姿は『伝わる』こと
    • 『伝える』と『伝わる』 何が違うの?
    • 伝えた「つもり」は「伝わっていない」と同義語
  • よりよい情報の伝え方
    • ポイントは対面or非対面ではない
    • 『伝える行動』を取っている時、直後にやるべきこと
      • 情報の理解度確認
      • 情報を後日確認する手段
  • しっかりと記憶に残してもらうための一工夫
    • 説明は資料をベースに口頭で補足
    • 資料として記録し、共有しておく

いくら親切丁寧わかりやすい説明だったとしても、それが口頭だけであると、その場では間違いなく理解いただいたとしても、自身も相手も時間や業務繁忙により失念する可能性もあったりします。

そのような事態を招くと、また一歩下がってリスタートとなります。

ひと手間かかるが、それ以上の効果が得られる。無駄なやり直しリスクが回避できる。
何よりも情報が正確に伝わってから、最終ゴールに向けた次のステップがスタートする。

伝わってナンボ 伝わってからがスタート!

このことを忘れることなく、確実な情報伝達ができるよう取り組んでみてください!

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